どえりゃぁエレ〜
まおは3歳の時に東京から引っ越して来て以来、ずっと愛知県に住んでいます。
引っ越してきた時には言葉の違いで結構困ったこともありました。
その1つが「どえりゃぁえれ〜」です。
「どえりゃぁえれ〜。」とは「とても疲れた。」という意味です。
最近ではこんなバリバリの名古屋弁を聞きませんが、私が子供の頃には結構普通に聞かれた言葉です。
最初に聞いた時には「偉い人」のことかと思いましたよ。

それから20年程の月日が経ち、私も社会人となる日が来ました。
1994年に入社した時、「エレベーターなんてボタンを押して乗り降りするだけ。」そう思っていました。
確かに基本はそうなんですけど、知る人ぞ知る色々な機能が色々とあったりします。

ここではそんな昔と今のカルチャーショックを掛け合わせて「どえりゃぁエレ〜」と名付けたわけですが、
みんなも驚く、どえりゃぁすげぇ〜エレベーターの話が出来るようがんばってみたいと思います。
エレベーターの有難味を感じる瞬間!
エレベーター業界に身を置きながら、エレベーターの有難味を感じる瞬間があります。
夏真っ盛りの猛暑!「今日の最高気温は34度の真夏日です。」などと天気予報で明るく言ってくれるノーテンキなお天気キャスター!
こんな時、いつも以上に朝からブルーになる時があります。工事現場での現地据付調整作業の日です。
私の場合、普段は内勤のS/Wエンジニアなんですが、新しいS/Wや特殊仕様のビル等の場合は現場に行くこともあります。

行くのは工事現場ですから、電気設備や空調設備も同じく工事中だったりするわけで、当然クーラーなんか置いてあっても動きゃしない。ただのでっかい箱ですわ。「キィー、むかつくっ!」

さらに私の作業は担当部分の内容から防災センターと言われるような、設備の監視なんかを行う部屋で行うことが多い。
し・か・も、こういった防災センターは地下にあることが多く、窓がない上にパソコンやらの放熱装置が所狭しと置いてある。
しかも、こういった部屋は当然オートロックで出入りが制限されるようになっており、機密性が高いと来たもんだから、休憩や他作業等で外に出ると、30度を超える猛暑だというのに、「あー涼しぃー。」と叫んでしまうほどの暑さです。

先日なんか私が汗だくになりながら作業をしている後ろで、普段からこういった現場での施工を生業としていると思われる方々が、しばらく作業をした後、「あぁーあぢぃー、こんな所で作業してられっかっ!ここはサウナかっ!!やめやめ。」と言って出て行ってしまいました。
だよねぇー。朝礼でもJVの方が「熱中症で死亡することも考えられるので注意しましょう!」って言っていたもんねぇ。

そんなこんなで私も熱中症で倒れたくはないので、3時間に1度くらいの休憩はするわけですが、工事現場ですからトイレや休憩場所は指定されており、ヘロヘロになりつつ指定の階、だいたいは上の階、3階とか4階あたりに移動するわけです。地下階からね。

あーエレベーターに乗りてぇ。」と思っても当然我々が据付調整をするわけですから、動くはずも無いわけで、1歩1歩階段を昇っていくわけですね。
もうね、本っ当ぉ〜にエレベーターの有難味を感じます。
エレベーターのボタンを2度押ししたことがありますか?
エレベーターに乗ったら行き先階のボタンを押しますよね。
子供の悪戯なんかで全部押されて行きたくもないのに全階に止まってしまう経験ってありませんか?
もしも押したのが自分の子供だったら、とっても乗っている時間が長く感じちゃいますよね。
そんな時のためにボタンを2回連続で押すと、キャンセルされる機能があります。

よその子供が間違って押してしまったとき、さりげなく点灯されたボタンを2回連続で押してみましょう。
降りるまでの一時、ちょっとした優越感に浸れるかもしれませんよ。

これは昔からある機能で、私が入社した頃には既にあったのですが、
世間一般的には知られておらず特定の場所にしか存在しない、業界内の知る人ぞ知る機能でした。
最近では出来る場所が多くなったので、もし間違って押されたボタンがあったら使ってみてください。
ただしむやみに押すのも悪戯ならば、むやみにキャンセルするのも悪戯です。
大人の悪戯は恥ずかしいので、節度あるご使用をお願いしますね。

今はエレベーター内の行き先ボタンが一般的ですが、いずれ乗場にも一般的に適用される日が
来るかもしれませんね。
こんなシステムの仕事をしていました。Vol.1
防犯対策として指紋照合が広く普及してきました。
そんな折、こんなシステム開発の仕事を担当することになりました。

マンションなどの入り口で指紋照合をします。
照合されると何階に住んでいるのか特定されるので、2階以上に住んでいる場合は、
エレベーターの乗場ボタンが自動的に登録されてエレベーターが玄関階に来ます。
エレベーターの到着と同時に行き先階のボタンも自動的に登録されます。
これだけではありません。
各住居にあるインターホンの液晶画面にエレベーター内のカメラが撮影した画像が表示されます。

つまり、入り口で指紋照合をしたら、あとは全てオートで家まで帰ることが出来るわけですね。
私はエレベーター内の画像関連部分のシステムのS/W開発を担当したのですが、
「そんなことでいいのか」って作りながらに思ったものです。
これは高機能なのか、余分な機能なのかは数年後の販売実績が物語っているでしょう。
こんなシステムの仕事をしていました。Vol.2
最近のエレベーターは、待ち時間が少なくなるように色々な機能が組み込んであります。
特に複数台設置されているようなエレベーターになると、
現在の積載量や位置関係からどのエレベーターを配車するのがよいかを演算したり、
過去の運行実績などを記憶しておき、その内容から運行スケジュールを算出したりします。

でも最適な運行サービスをしようとした時に一番重要なのが、
乗る人がどこに行きたいのか最初からわかっていることですよね。
そこで開発されたのが、普段エレベーター内についているような行き先階のボタンを乗場に付けておき、
行き先階を乗場で指定すると、ボタンの横に乗るエレベーターが表示されるというシステムです。

あとは人数の把握ができるようになると完璧なんでしょうけど、今はそこまで製品化されていません。
私はこの乗場のボタンを銀行のATMのように液晶画面に表示するS/Wの開発に関わったのですが、
いずれこんなシステムがあちこちに設置される日が来るのかなぁ。
そうしたら、「乗場に上下ボタンしかないエレベーターを知っている世代!」と言われるのだろうか?
と未来予想をしてしまいました。
ちょっと焦りました。
なおくんの診察を付き添いに市民病院に行った日の出来事です。
なおくんはなぜかエレベーターが大好きで、今日もエレベーターに乗りたがります。
合わせて小児科が減っている昨今、市民病院の小児科は超人気で、長期戦必至の状態。
こりゃぁ、昼ご飯前に少しおやつがいるかなと思いエレベーターで売店に行きました。

売店で買い物をしてエレベーターで戻る最中にその事件が起きました。
間もなく出発というとき、エレベーターに乗ろうというご年配の方がいたので、慌ててドアを開けました。
そうしたら、その後からドアが閉まらなくなったのです。
行き先階のボタンを押して、「閉」ボタンを押してもボタンを放すと再びドアが開くのです。
ちょっと焦りましたね。結局、「閉」ボタンを完全にドアが閉まるまで押しつづけて出発しました。

実は最初に慌ててドアを開けるとき、「開延長」と「開く」ボタンを同時に押したらしいのです。
こうすると、患者を乗せる時用の病院運転になったらしく、ドアが閉まらなくなったんですね。
対処方法は私がやったように、ドアが閉まるまで「閉」ボタンを押せばよいのです。
病院でドアが閉まらなくて困っている人がいたらやってみてください。
こういうあまり知られていない機能って結構あるんですよ。
こんなことも仕事なんです。
エレベーターに取り付ける表示機関係の新製品の試行工事があって、とあるビルにて調整作業をしておりました。
私の役目はパソコンS/Wの開発担当者ですから主にパソコンの設定作業なのですが、
パソコンの設置している部屋がカーペット貼り作業中らしく、私の出番が待ち状態となって暇を持て余しておりました。
そんな折、表示機本体のS/Wをどうしてもバージョンアップする必要があって、皆さん忙しく作業をしている中、
そのバージョンアップ作業経験が多く、いかにも暇そうな私は、その作業に借り出されることになりました。

色々と問題が出るので詳しくは書きませんが、
映画みたいにエレベーターの上、つまりは天井の上に立って昇降路の中を上下移動していくわけですよ。
安全第一で作業をするのでゆっくりと移動しながらの作業なんですけどね。

でも映画と違うのは、エレベーターの上は足の踏み場に困るほどごちゃごちゃと物があること。
みなさん、知っていますか?
エレベーターの天井から外に出ようと思っても、上にはクーラーやらなんやらあって出れないこと。
例え出たとしても自由に軽々と動き回るようなスペースは無いということ。
映画は事実と意外に違っているものなんですよ。
しかも間違った映画の方をイメージしている人が多いのです。困ったものです。

さて、そんな余分な作業をしていたので、その後の忙しいこと、結局最後まで作業をして、
とっても遅い夕食を私の作業終了を待ってくれていた出張者全員で頂くわけですが、
翌日の最終確認も恐らくは無事終わるだろうと予想され、既に宴会モードの私!

そして翌日。なんとなく体がだるい。問題が出なければ私の出番もないし。まぁいいか。
なぁ〜んて、世の中そんな甘いわけ無いんですよね。

表示機の確認!なんですが、災害時用の表示ってのがあるわけで、実際にその表示を確認してこい!
ってなことになると、問題なく動作している状況では、既にパソコン設定者の出番は終わっているわけで、
やはり一番暇そうな私の出番となるわけですわ。

さてその確認!
エレベーターに乗り込むとインターホンが鳴る。「地震やりま〜す。」
「OK.牧場!」とは言わないが、了解するとエレベーターが上昇し始めるわけですよ。
そして速度が出た時点で擬似的に地震を感知させて、エレベーターが緊急停止をし、
エレベーターの外に出るよう表示機にメッセージが表示されるわけですな。
地震時の動作は地震の程度に応じて複数あるわけで、似たような試験が複数回実施されます。
連日の残業等であまり体調の良くない私。前日の宴会モードの影響もあって、
余計と気分が悪くなりましたよ。

そして無事終わると次に待っているのは「停電やりま〜す。」
今度は緊急停止!あ〜んど、消灯状態になるわけですよ。
その後予備電源に切り替わるのですが電源容量の問題で1台ずつ救出するわけで、
自分の番が回ってくるまで、電気が消されて真っ暗の中、ひたすら待つわけですなぁ。
「狭く真っ暗なエレベーターの中、私1人何を思ふ。」ってなもんですよ。正直、「もう、帰りたぁ〜い (T_T)」
その後、順番が回ってきて電気が点き、救出用の運転をし始めると、
自分が登録をしたメッセージが表示機に繰り返し表示されるわけですよ。
内容は「ドアが開いたらお降りください。」みたいな面白くも無いメッセージが。
「真っ暗なときに何か表示してくれぇ〜!」それが出来るなら電気も点くわけですが。。。

その後、火事もやりましたね (>_<)
最上階まで行く途中に擬似的に火事を感知させると、
玄関階まで連れてってくれます。そのまま「お疲れ様!」と行くわけも無く。
別の場所の停電確認がうまく出来なかったらしく、再度真っ暗な中、物思いにふける私であった。
くそぉ、地震も停電も火事も大嫌いじゃぁ〜!
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